ゆるゆると信貴山断食道場体験記ー初日

断食

この記事は、2017年12月〜2018年1月の体験記です。情報が古い可能性があります。そんな時代もあったんだな、程度にご参考ください。

断食をするためにやってまいりました。信貴山。

大阪と奈良の境い、どっちかと言えば奈良。所在地が示すには、はっきり奈良。

お世話になるのは信貴山断食道場というところです。体験入場4泊5日(友人と二人部屋)のおゆるい体験記。

信貴山断食道場までの道のり

関西圏の田舎っぺですので、まずは大阪駅まで出ないことには話が始まりませんから高速バスで大阪駅までやってきました。

大阪駅からのルート

JR大阪駅 → JR「王寺」 → 1.近鉄「信貴山下」 → 2.奈良交通バス「信貴大橋」 → 徒歩

1. 電車 最寄駅「信貴山下」

断食道場のホームページの案内に結構忠実に従いまして、JR大阪駅から環状線、大和路線に乗って王寺駅まで来て、そこから近鉄電車に乗り換えます。

近鉄電車乗り換え時の注意事項

近鉄「新王寺」と近鉄「王寺」が徒歩1分の距離にあるが、どうも繋がっていないようだぞ? 
間違えて「新王寺」に入らないよう注意しましょう。

近鉄「王寺」駅の改札を通って、電車に乗りました。ローカル感に満ちています。「信貴山下」で降ります。一駅でした。

2. バス 最寄バス停「信貴大橋」

近鉄「信貴山下」駅の改札出たら今度はバス。

バスを待っていたら地元の人らしいお婆さんが「どこまで行くのか」と言う。
「断食……」とか言って引かれたら嫌だから嘘をつこうかと逡巡する間もなく、
お婆さんが「お寺さんなら」と話し出す。
そうそうと相槌をうてば朝護孫子寺に行きたい人扱いになって「信貴大橋」で降りるといいと教えてくれました。運賃260円(2017年12月時点)。

ホームページにはその手前のバス停「信貴山」下車を書いてあるのですが、お婆さんの言う通り、地図で見るにどう見ても一つ先の「信貴大橋」の方が道場に近いです。
※ 正月三が日と路線によっては「信貴山」止まりのようなので、「信貴山」下車の案内になっているのかもしれません。

帰りはバス停「信貴山」から「王寺」駅までバスを使ったので、時間が合うなら「王寺」からバスに乗るのでも楽だと思います。王寺から信貴山は310円(2017年12月時点)でした。

王寺駅から道場までタクシーで直行する場合

バスは近鉄「信貴山下」駅から住宅地をぐるっとする路線だったので10分以上かかったと思いますが、距離としては大したことはなさそうでした。

でも坂道です。

バスが1時間に一本のペースなので、時間が合わないときは無理せずタクシーを使うのがいいです。荷物が多すぎ、重いです。
(そう、荷物が多い。身一つでは行けないところなのです。)

後で道場で出会った人に聞くと、王寺駅から道場までタクシーだと2,000円くらいだそうです。

信貴山断食道場について

10:26のバスに乗って、信貴大橋で降りて、それからどっちだ? と、なりつつも、

砂利というか土というか、お寺の駐車場なんだろう場所を奥まで進みました。そこで断食道場の看板が現れます。

ああ、コレやな。

「宗教法人 大宇宙教 信貴山断食道場」

ネットで予習済みのため冷静に眺めました。

いきなり見たらビビります。宗教施設に来たつもりはないからです。

ホームページにはそれっぽいことがひとっつも書いてないし、そもそも書いてあったら申し込んでもいないかもしれません。
真言宗などの馴染みあるお寺ならまだしも、なにやら大層で大仰な、聞いたことのない宗教名。これはヤバイ、となりますよね。
なるほど〜、と体験談を書いてくれていた人に感謝して先に進みました。

着きました。

信貴山断食道場

予習していたせいで、知ってはいましたが。

古い合宿所みたいな雰囲気。山の合間にあるせいか、明るい感じは全くしないので実物を目の前にして怖気付きました。

でもここまで来たんだし。勇気を出して受付棟の呼び出しボタンを押しました。

受付

2017年12月29日、
こうして11:00になる前には断食道場の受付事務所で座っていました。

そこでは先に一人おじさんが受付をしているところでした。机で書類に書き物をしています。横の椅子で順番を待ちました。

この待っている時から施設が冷えきっていることをひしひし感じていました。足元から冷えが上がってきます。

この受付部屋は小さくて灯油ストーブが一台あって部屋を暖めているのですが、間に合っていないと思える床の冷たさです。

窓枠にぶら下がった鍵の形を眺めて、おじいちゃんちの窓や、と、どうということのない古い記憶が浮かんでいました。

じいちゃんちの窓

受付係のおじいさんは声を聞いた瞬間に、申し込み時の電話の人だとわかりました。受付の人でいいんですか? もしや道場長か?

誰?

最初に3枚ほど誓約書や体調に関する用紙を記入してお金を全部預けました。所持金はこの初日に全部預けてしまうシステムです。買い食い防止でしょう。

スケジュール表

スケジュール表が出されて、一通りお話ししてもらいましたところ、

断食道場日課

「7:00起床、7:30静座……は、今はやっていません。
掃除、は、各自でおこなってください、8:00にお茶です。
講演は館内放送です。
体操は都合で先ほど終わりましたので一日置きなので明日はありません。
入浴は4:30から7:00までに男女交代で入ります。今日は入浴日です云々」

一日のスケジュール表が修正されることなく実際と違っていてズコー。

申し込みの電話の時からものすごいゆるいと感じたのは、まさにそのままその通りなのでした。

お部屋

館内をさらっと案内してもらった後、部屋に通されました。

せまっ

友人と二人で相部屋なんですけど、畳の数を数えたら六畳はあるんですが、ホンマか。

狭っ、というか、

迫っ、というか。

ホテルじゃない、民宿じゃないってわかっていたはずです。でも一言目に言ってしまいました。

せまっ

ここは断食道場です

道場なのです。

学生時代の合宿所の方が雑魚寝なだけに広い。合宿所の狭いバージョン。

しかも寒い。

電気ストーブのレンタル料が一日300円。これを借りずにいられる人がいるのでしょうか。

畳に直に座ると冷え冷え。座布団を敷くも座布団も冷え切っていて冷え冷え。昼間だろうが布団を早速敷かずにおれない。

で、布団、

おもっ

布団が重い……

電気ストーブも昔ながらの、見るからに昭和時代を経た(言い過ぎか?)年季の入ったお品です。

それでも温かい。でもほっとするほど温かいのは半径1m以内。近づきすぎると今度は燃えそうに熱い。

ここんとこのお気に入り『自律神経どこでもリセット! ずぼらヨガ』のポーズをとってみたり、おしり歩きしたりして体を動かしてはみるも、なかなか温まらない。畳も布団も一向に温まる気配がない。

底冷えって、こういうことを言うんだ。

やっぱり私、わかっていませんでした。ここは宿泊施設じゃないってこと。規則はゆるゆるに緩そうとはいえ、ここは断食道場だってこと。旅行のウキウキ気分は最初から0で来るべきところだったのです。

「生食ガイドブック」

正食ガイドブック

スケジュール表では13:30から講演になっているので寒いながらも出かけずに部屋で過ごすことにしました。寒いので体を動かしつつ、受付時に280円で購入するのがデフォルトらしい小冊子に目を通しました。正食のガイドブック。

正食……セイショク? セイジキ?

ググってはみたものの読み方もわからない。

ふむふむーと読み進めましたが、データが古いなと思ったら、2003年の本だったよ! 第12刷なんて書いてある。初版はいつだったのよ。

て、

ハ!?

講演の時間は?

スマホを確認すると14時前。講演は館内放送って言ってたが。聞き逃したのでしょうか。聞こえませんでした。15:00になってもうんともすんとも言いません。

ま、いっか。

後1時間で夕食です。ずっとごろごろしました。テレビも借りたので、普段見ないテレビを見っ放しです。テレビレンタル料一日300円。さすがに現代の液晶テレビです。

アハハー、テレビを見ていると年末気分がかえってきます。私、修行しにきたんじゃないのよ。半端に旅行気分で来ました。

空き部屋をのぞいて見ました。一人部屋のようです。

夕食

16:00 夕食。

部屋とは別棟にある「静座室」というところでいただきます。

静座室……ここは説法を聞く広間なのだと思います。大きめの仏像があって(仏教じゃないようだから違うのかな?)、こちらの道場は本来は宗教施設なのだと思えました。

そこに膳が用意されてありました。

私たち二人の膳の他にも二膳。今日入場した人が私たちを含めて四人ということでした。

受付の時に先にいたおじさんと、もう一人は若めの男性です。
男性方は淡路島や成田山の施設はいっぱいで断られてこちらへ来られたとのことです。
そういえば、ホテル並みに整った女性専用の施設はいくつもネットで見たけど、男性だと選択肢が限られるのかもなあ。

お食事は、三分食という、断食前の少ないお食事です。

ごま塩がかかった玄米、カブらしきお漬物、野菜の天ぷら(ごぼう、かぼちゃ、ピーマン、レンコン)、大根おろし。

ほんとなら5口で胃袋に収められる量だけど努めてちまちま食べてよく噛むようにしました。素材の味がします。美味しいです。足りないのは言わずもがな。写真は撮り忘れました。

入浴

16:30 入浴。

友人は入らないと言うので一人で浴場に来ました。部屋とは別の建物に浴場はあります。

浴場に入って身震い。あー、さぶさぶ。はやく湯船に浸からないとダメだ。

冷え切った体にはぬるく感じて、お湯の蛇口を捻って湯を足しつつ入っていました。そうすると浴場は一気に湯けむりで視界不良になりました。

ここでは先客の方々とお話しする機会ができました。

先客は3名でいずれも女性、いずれも前日に入ったばっかりとのことでした。いずれもご新規さんです。

話していると今の道場長が二代目で女性、おばあさまだということを初めて知りました。他にも初日と2日目のことも教えてもらいました。

そんなつもりはなかったのですが、話していたため長湯になってしまったようで、脱衣所に出たとたんに脱力感が来ました。

立っていられない。

横の蛇口を捻って水をいくらか飲んで、大丈夫な気がしてちゃっかり体重測定をしていますが、う、ダメだ、キツイ。ムリ。どうにかこうにか部屋に戻りました。

就寝前の訪問者おばあさん

体調が戻ってきたら温まったし眠い。部屋で横になってうつらうつらとしていると。

20時過ぎにノックがされて、しわがれた声のおばあさんが部屋に来られました。

さっき浴場で聞いたからわかる。この人がたぶん二代目の道場長だ。

このとき明日から断食に入る説明と体調確認をされます。

それから下剤をもらいます。

下剤を飲んでもお腹痛くならずに便通があったという話を、お風呂場で先輩方から聞いていたので怪しまずにもらって飲みました。

私は聞いてたおかげで驚かなかったのですが、お風呂に入らなかった友人は夜になっていきなりやってきた見知らぬおばあさんに「誰だよ!」って内心ツッコミまくっていたようです。そりゃそうだな。

21:00

べつに寝ろと放送されるわけでも電気が突然落とされるわけでもないのですが、することないし疲れたしで、消灯し就寝いたしました。

断食道場二日目に続きます。

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