本屋をぶらりとして、漢字検定の問題集を手に取りました。
物書きを自称している身なので、平均よりも言葉を知っている人のハズです。
私は準一級の問題集を選びました。

開いて一言。
こんなのワカランわ!
全然わかりません。
準一級、国語オタクにしか用事がないレベルです。
……知ってた。
いきなりレベルアップしてるわけはなかった。
かつて漢字検定準一級の問題集を買って、十年以上持ち続けて、結局覚えられず進まず受験せず、という経緯があります。
日本漢字能力検定(漢検)の主催者:日本漢字能力検定協会
受検の日程や検定料等、詳細は公式サイトでご確認ください。
漢検準一級って、どんな問題が出る?

出題範囲は常用漢字(2136字)と準一級用漢字を合わせた約3000字。
出題内容は、読み、書き、故事・諺、対義語・類義語、同音・同訓異字、誤字訂正、四字熟語。
一級が約6000字なので、それを思えば楽勝な気がしますね。そんな気がするだけですよ。知ってる。
試しにやってみましょう、問題集一番最初の「読み」の問題です

頻出度Aランク
同盟国との紐帯を重視する。
赤いアンダーラインの字、読めましたか?
「ひも」と「おび」ですね。合体すると、何になるのだ。
→解答は「ちゅうたい」もしくは「じゅうたい」です。
「紐帯」とは「二つのものを結びつける役割を担うもの」という解説が付いていました。
ほお〜、ステキな言葉。
へえ〜、なんかイイね!
ワクワク感が出てきて、問題集を買う気がUPしました。
やっちゃおうかしら。
一度挫折したけど、また手を出しちゃおうかしら!
レベルが足りていないことはわかっているんですけど、わからなすぎると楽しいだけじゃないこともわかってるんだけど、再チャレンジしようかな!
漢字検定準一級のレベルは、
「試験1週間前からでも合格できた(中学2年男子)」だと!?
そんなバカな……!

「合格できた! の声、続々」という帯に釣られて、手に取った問題集です。
準一級、かつて手も足も出なかった私でも合格したい。
「この一冊で合格できた!」という声に弱い私。そう書いてあるものに飛びつきます。帯の後ろ側には、そういった声が載せてありました。

「これ一冊で合格できました!(高校2年女子)」
書いてあったね! 飛びついちゃう!
ん?
なになに?
「試験1週間前からでも合格できた!(中学2年男子)」
ま、
まじか!
1週間で?
しかも中学2年だと!?
「この本で受かりました! 友達にもすすめたい!(小学6年男子)」
しょ、
しょしょしょ小学生!
「友達に薦めたい」ではなく、
「すすめたい」と、かわいらしい平仮名をつかっておきながら!
クイズ番組「東大王」とかに将来出る子供がこんなところにいるよ!
「子供も本を持ち歩き活用してます!(45歳主婦)」
そんなアホな……! なんつー本を持ち歩かせてるんや。
もしや東大王の母か!?
東大王の母もこんなところにいたよ!
帯に釣られたものの、声と自分のキャパが違いすぎてビックリしました。
1週間で、起こってイイこととイくないことがあるんですよ。私の身にこれが起こったとしたら世のありとあらゆる法則が崩壊しています。世の破滅です。
しかし、ある可能性が頭に浮かび上がり、私は同シリーズの漢検4級の本を裏返しました。
3級を裏返しました。
準2級も裏返しました。

載ってるの、
おんなじ声やないか!
東大王でなくても1週間で合格できる級はある。
そうです。
1週間で、この本一冊で、漢検に合格できる!
東大王でなくても、そう言っていい!
今日も世界は回ります。
散々迷った末、結局100円安くて、文字が大きめの、別の問題集を買って帰りました。
準一級のレベルですが、実際のところ、国語オタクでなければ用はないレベル、実用というより趣味のレベルです。

日本漢字検定能力協会の公式ホームページにおいても、受験級を決める目安コーナーに案内がないので、マニアックな級と言えるでしょう。